編み図記号の読み方を徹底解説!かぎ針・棒針の基本一覧と編み方のコツ
お気に入りの毛糸を見つけて編み物を始めようとしたものの、レシピを開いた瞬間に並ぶ無数の記号を見て手が止まってしまった経験はないだろうか。アルファベットの「T」に似た形や「×」「○」、あるいは見慣れない斜線や矢印の数々は、一見すると難解な暗号のように思えるかもしれない。
しかし、編み図記号は世界共通で通じる視覚的な「設計図」であり、基本の仕組みと法則を一度理解してしまえば、初心者でも驚くほどスムーズに読み解けるようになる。本記事では、かぎ針編み・棒針編みの主要な記号の意味から、作品の仕上がりを左右する増減目のポイント、輪編みと平編みの視点の違いまでを分かりやすく整理して解説する。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:編み図記号はJIS規格で統一されており、基本となる数種類の編み目記号を覚えるだけで大半の作品を編み進められる。
- 要点2:平編み(往復編み)と輪編みでは編み図の読み進める方向や「表から見た目」の解釈ルールが異なるため注意が必要。
- 要点3:増やし目・減らし目や模様編みのパターン構造を正しく把握することが、サイズ調整や綺麗なシルエット作りの決め手となる。
【基礎知識】編み図記号の基本ルールとJIS規格の仕組み
日本の編み図で使われている記号の多くは、JIS規格(日本産業規格)に基づいて定められている。そのため、市販の本や手芸メーカーが配布している編み図記号無料一覧表などを参照すると、ほぼ同一のデザインで表記されているのが特徴だ。
編み図を読む際に最も大切な前提知識は、「編み図は完成形を表側(表面)から見た状態で描かれている」という点である。平編み(往復編み)の場合、裏面を見ながら編む段では、編み図に描かれている記号と実際に針を動かす操作が逆になるケースがある。この原則を頭に入れておくだけで、編み図読み方初心者が陥りがちな混乱の多くを回避できるはずだ。
【かぎ針編み記号一覧】くさり編み・細編み・長編みから玉編みまで完全網羅
かぎ針編みの記号は、実際の編み目の形状をそのまま図案化したものが多く、直感的に覚えやすい。まずは頻出する基本記号の構造を整理しよう。
・くさり編み(記号:楕円「○」または「0」)
すべての編み物の土台となる「作り目」や、編み地の高さを出す「立ち上がりの目」として多用される。輪っかのような形状がそのまま記号になっている。
・引き抜き編み(記号:黒塗りの楕円「●」)
編み始めと編み終わりを繋いだり、編み地の端を綺麗に整えたり、糸を切らずに位置を移動させる際に用いる。厚みを出さずに目を固定する役割を持つ。
・細編み(こまあみ/記号:「×」または「+」)
あみぐるみやコースターなど、密でしっかりした編み地を作るときの主役。立ち上がりのくさり編みは1目分としてカウントしないのが一般的なルールだ。
・中長編み(記号:「T」の字)
細編みと長編みの中間の高さを持つ編み目。記号の横棒が針にかける糸、縦棒が引き出す糸の高さを表している。
・長編み(記号:「T」に斜線が1本入った形状)
透け感のあるウエアやストールなどで多用される高さを出せる編み方。斜線の数は「針に糸を巻く回数」を示しており、斜線が2本になれば「長々編み」、3本になれば「三つ長編み」となる。
これらに加えて、立体的なポコポコとした質感を作る「中長編み3目の玉編み」や「長編み5目のパプコーン編み」など、複数の目を1箇所に編み入れる模様編み図記号も頻出する。記号の根元が1箇所に集まっているか、頭が1つにまとまっているかを確認することで、編み入れる位置とまとめ方が一目で判断できる。
【棒針編み記号の見方】表目・裏目・メリヤス編みと交差編みの実践テクニック
棒針編みの編み図は、マス目(方眼)の中に記号が1つずつ配置されるスタイルが基本となる。1つのマス目が「横1目・縦1段」を表している。
・表目(記号:空白、または縦線「|」)
針を手前から奥へ入れ、糸を手前に引き出す基本の編み目。編み図では何も描かれていない空白のマス目として表記されることも多い。
・裏目(記号:横線「ー」)
針を奥から手前へ入れ、糸を向こう側へ押し出すように編む。編み地には横向きの波のような畝が現れる。
棒針編みの代表格であるメリヤス編みは、表側の段で表目を編み、裏側の段で裏目を編むことで、表面全体に「V字」の編み目が美しく揃う組織だ。編み図上ではすべてのマスが「表目」の記号で埋まっているが、平編みの場合は裏段で「裏目」を編む必要がある点に注意しよう。
また、アラン模様やケーブルニットで欠かせないのが「右上交差」「左上交差」などの棒針交差編みだ。縄編み針を使って一時的に目を休ませ、編む順番を前後させることで立体的なねじれを生み出す。記号の上側に重なっている線が「手前に休ませて手前にクロスする目」を示している。
【輪編みと平編みの違い】編み図の進行方向と段数の数え方を徹底比較
編み図を正しく読み解く最大の関門が、輪編み平編み違いの把握だ。編み進める方向と視点のルールが根本的に異なる。
【平編み(往復編み)のルール】
1段編むごとに編み地を左右にひっくり返して編む。そのため、奇数段(1段目・3段目…)は「編み図の右から左へ」読み進め、偶数段(2段目・4段目…)は「編み図の左から右へ」読み進める。偶数段は編み地の裏側を見ながら編むため、編み図に「表目」と書いてあれば実際には「裏目」を編む。
【輪編み(筒状に編む場合)のルール】
帽子やネックウォーマー、靴下のように常に表側を見ながらぐるぐると編み進める。そのため、すべての段を「右から左へ」読み進め、記号通りの編み方をそのまま実行するだけで良い。初心者にとっては輪編みのほうが編み図の解読ミスを起こしにくい構造といえる。
【減らし目・増やし目】シルエットを自在に操る編み方の重要ポイント
セーターの襟ぐりや袖ぐり、あみぐるみの丸みなど、形を変化させるためには減らし目増やし目編み方の習得が欠かせない。
かぎ針編みの場合、減らし目は「2目一度(細編み2目一度、長編み2目一度など)」を用いる。記号では2本の足が1つの頭に合流する逆V字の形をしている。逆に増やし目は、1つの目に2目以上の針を入れるため、1つの根元から2本の足が伸びるV字の記号で示される。
棒針編みにおける減らし目の代表は「左上2目一度」と「右上2目一度」だ。 ・左上2目一度:2目一緒に針を入れて表目を編む(左側の目が上に重なる) ・右上2目一度:1目を編まずに移し、次の目を編んでから被せる(右側の目が上に重なる) 目の傾きによって仕上がりのラインが変わるため、セーターの脇線など左右対称に減らしたい場所では記号の向きを正確に確認して編み分けることが美しいシルエットの秘訣となる。
【模様編み図記号一覧】複雑な柄も怖くない!パターンの読み解き方
透かし編み(レース模様)や編み込み模様(フェアアイル)など、複雑に見える模様編みも、実は「基本記号の組み合わせの繰り返し」に過ぎない。
透かし模様では、針に糸をかけて新しい目を作る「かけ目(記号:○)」と、目を減らす「2目一度」が必ずセットで配置される。かけ目で増やした分を別の場所で減らすことで、全体の目数を変えずに美しい穴(アイレット)を連続して生み出しているのだ。
編み図の中に太枠で囲まれた「1模様〇目〇段」というリピート表記を見つけたら、そのパターンが横に何回繰り返されているかを把握する。端の「縁編み」部分と「模様リピート」部分を分離して捉えることが、模様編み図を迷わず読み解くコツである。
【編み図記号】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:海外の英文パターンと日本の編み図記号はどう違いますか?
A1:日本の編み図は全体を視覚的な図面で表しますが、欧米のパターンは「k1(表目1目), p1(裏目1目), yo(かけ目)」のようにテキスト形式で編み方を記述するのが主流です。近年は海外でも日本のチャート式編み図の合理性が高く評価されています。
Q2:編んでいる途中で目数が合わなくなってしまった時の確認方法は?
A2:模様編みの場合、段の途中で「かけ目」と「減らし目」の数が釣り合っているかをチェックしてください。また、平編みでは立ち上がりのくさり編みを目数に含めるかどうかの解釈違いで、端の目数がズレてしまうケースが非常に多く見られます。
Q3:記号図を見ても編み地の表と裏が分からなくなってしまいます。
A3:編み始めに出ている「糸端」の位置を目印にしましょう。一般的な平編みの場合、1段目を編み終わった時点で作り目の糸端が「左下」にあれば表側、「右下」にあれば裏側を向いていると判別できます。目数段数マーカーを表側にだけ付けておくのも有効な予防策です。
まとめ:編み図のルールを味方につけて自由な作品づくりを楽しもう
編み図記号は、手芸の歴史の中で培われてきた無駄のない情報伝達ツールだ。一見するとハードルが高そうに見えても、「表から見た図面であること」「平編みと輪編みで進む方向が異なること」「基本記号の組み合わせで構成されていること」という3つの原則を掴めば、どんな作品でも着実に形にできるようになる。
まずはコースターやミニマフラーなど、目数の少ない小物を編み図通りに仕上げてみることから始めてみよう。記号を追って針を動かす楽しさと、思い描いた通りの模様が立ち上がってくる達成感をぜひ味わってほしい。 (出典: 編み 図 記号(Yahoo!ニュース))